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2005年12月6日

2005/12/06

35:新聞批判

35toufukuzi 先日新聞批判はもう止めようと宣言したばかりの私だが、日々熟読しているとやはり引っかかる所がある。今回は「用語の表記法」についての苦言だ。「読者は文盲」という前提で書いたかと思うほど「ふりがな」の多いコラムについてだ。

3年ほど前まで私は2紙読んでいたが、テレビやラジオもあり新聞を2紙も読む必要が無いことにふと気がついた。共に親の代から60年以上も読み続けてきた新聞であり愛着があったがS紙をやめて朝日新聞を残した。(何故朝日か?その点は後日に譲ろう)そろそろ「永年読者表彰」にあずかり朝日の紙面を飾るかも?副賞には最新版の「朝日新聞の用語手びき」でも頂けるのではと期待している。何せ今持っているのは1981年版である。そんな時代遅れの「手びき」を見ながら苦情を言ってもらっては困るという記者諸君の声も聞こえるが、愛読紙を良くしようとという読者の苦情、一寸は耳を傾けて欲しいものだ。ついでに言えば、永年勤続者表彰などという遺物の代わりに是非「永年読者表彰制度」を設けて欲しいものだ。

夕刊紙に「窓(論説委員室から)」という「ふりがな多用」のコラムがある。署名記事であり、内容的には時宜を得た話題を取り上げ、論旨の纏まりもあり、その点については文句の無い立派な記事だ。何せ論説委員さんの作品だ。実は苦情を言いながらもつい読まされてしまう。「ふりがな多用」も作戦か?

だが、この記事、本来誰を対象に書いているのだろう?といつも疑問に思う。中・高生向きにしては内容が熟年向きだし、内なる国際化時代、外国人にも読んで欲しいという期待もあるのか?

日本人の識字率は99.8%といわれている。まして朝日の読者だ。「読者は文盲、このくらいのふりがなは必要だ」などとは考えなくてもよい。過剰な「ふりがな」が文章を読みにくくし、また私のように気分を害している読者もいる。それらを無視してまで執拗に「ふりがな」を続けるからには、私の知らない立派な用法基準があるに相違ない。

一般の「報道記事」には原則ふりがなは付けないということであろうか、読みにくい固有名詞や特に難しい言葉にのみ若干の「ふりがな」が見られる程度だ。それに比べて「署名記事」には一般に「ふりがな」が多い。例の手びきには
★寄稿原稿で言い換え、書き換え、または仮名書きが困難もの
★一般原稿でも、適切な言い換えがなく、仮名書きでは意味が分かりにくいもの
で、表外字を使う場合はその語の下にカッコして読み方を示すとあるが、このあたりが基準に近いかな?と余分なことまで考えながら読んでいる。

中には適切な配慮だと思う「ふりがな」もある。しかしもし、親切でというのなら全紙面の漢字に「ふりがな」を付けたらよかろう。「読みにくい、読者を小馬鹿にしている」として、読者が減っても、もとより私の知らないことである。
もう一度いいたい。コラム「窓」の「ふりがな」は、どのような基準で付けているのか?

以下に最近のコラム7回分を分析した結果を示すが、約630文字ほどの文章中に23個の「ふりがな」のある文章にもお目にかかることが出来る。「ふりがな」の付いた文字を「通常文字」と「固有名詞」とに分けてカウントした。

2005.11.26(土)執筆者:越村佳代子、表題:「ひとり芝居を極める」、ふりがな:23件
「通常文字」:俳優、舞台、怪談、牡丹灯籠、朗読、一躍、芝居、生涯、神々しさ、随筆、三月書房、絵心、辞世、志、魂。
「固有名詞」:北村和夫、杉村春子、蒲田、風間杜夫、島田正吾、辰巳柳太郎、白野弁十郎、吉川潮、。

2005.11.28(月)執筆者:伊藤知章、表題:「さらば超ミニ村」、ふりがな:5件
「通常文字」:恨み節、無縁、患者。
「固有名詞」:富山村、御神楽祭り。

2005.11.29(火)執筆者:梶本章、表題:「医療費の領収書」、ふりがな:6件
「通常文字」:詳細、医療協議会、診療報酬、就任、患者。
「固有名詞」:勝本久司。

2005.11.30(水)執筆者:高成田亨、表題:「いなか暮らしのコツ」、ふりがな:14件
「通常文字」:過疎、悩む、創る、妥協、辛辣、団塊、先達。
「固有名詞」:月山、田作政司、悦子、皓一、三浦一之、志田龍太郎、高橋義夫。
                  
2005.12.1(木)執筆者:遠藤健、表題:「科学の力で『領土』を広げる」、ふりがな:12

「通常文字」:海図、領土拡張、大陸棚、排他的経済水域、代替、希少金属、厳格な、音波、地殻、海軍、水路部。
「固有名詞」:海洋情報部。

2005.12.2(金)執筆者:恵村順一郎、表題:「シンクタンク競争」、ふりがな:6件
「通常文字」:旗揚げ、官僚、駆り立て、渡り、優遇措置。
「固有名詞」:霞ヶ関。

2005.12.3(土)執筆者:大峯伸之、表題:「つくり手の顔」、ふりがな:5件
「通常文字」:耐震強度、偽装、耐久、手頃な。
「固有名詞」:東近江市。

こうして分析してみると普通の常識を持っている読者であれば人名、地名などの固有名詞以外は、「ふりがな」無しで読める。誰でも知っている俳優名に「ふりがな」が付いては、「俺はその程度の知名度か?」と怒る人もいよう。そういう配慮も必要だ。

ただ、中には適切な配慮だと思う「ふりがな」もあれば、このコラムの基準でいえば、「ふりがな」無しはおかしいと思う漢字もあった。

この分析を通じて2005.12.3(土)の記事の表題ではないが、「窓」の作り手の顔が見え始めるから不思議である。(2005.12.06)

識字率:(ウイキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%98%E5%AD%97%E7%8E%87

編者:朝日新聞社用語幹事 片山朝雄「朝日新聞の用語の手びき」1981.10.30第三刷

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