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2012/09/23

No.87 ブログ「硬骨ウント恍惚」を私は何故書き始めたか

「定年後の人生設計講座」の席で。「あなた達はもしかすればこれから20年、30年という長い老後を過ごすことになるかも知れない。何か打ち込む対象を持つことなしに生きられる時間ではありません」と講師の言葉は脅迫的であった。世の中、生涯現役という人もいようが大方のサラリーマンは、そうは行かない。この言葉は、趣味らしい趣味もなく仕事人間として生きてきた私を慌てさせる言葉だった。そこから今日の誕生日まで、24年が過ぎた。感無量である。

何か自分に合った趣味を探さねばなるまい。考えついたのが「書くこと」だった。とは言え、お金になる「物書き」ではない。子供の頃、「赤い鳥」*1を読み始めた頃から文章を書くことだけは好きで、苦にはならないが短歌や俳句を嗜むでもなく、小説らしいものを書いた経験もない。

熟考の末私は、二人の息子宛に近況報告を兼ねた、「一人新聞」の発行に決めた。記者・編集者・発行人を兼ねた仕事だ。当時はワープロ仕上げ、郵送である。共にサラリーマンの息子たちであれば、男同士で解ってくれる話題もある。忙しさにかまけて面倒を見てやれなかった息子たちだからこそ、いま格好の送り先だと一方的に思い込んで平成元年十月から毎月発行して来た随想、題して「坐院○○発」。○○は私の所在地、生ある限りの存在(ザイン)証明である。結局100号までの8年4ヶ月、話題として241編の随想を送った。

息子宛に随想を書いた理由には次の様な理由もあった。
一つには、私の父が子供にとって思い出になる「歌集(短歌)」を残してくれたことである。我が息子たちもいつか私を懐かしく思う日が来るに相違ない。そんな日のよすがになればとの思いである。
第二の理由は、人生の生き様、生きるノウハウという「文化」を私流に伝えたいという願望からである。親の文化から学ぶことを好まず自己流で1から出発する愚かさの苦い体験を持つ私。
例の「ビジネスマンの父より息子への三十通の手紙」*2を読んだとき、私が語るよりこの本を息子達に贈ろうかと一瞬錯覚した。しかし、この本は私が息子たちに贈る本ではなかった。著者は、賢く生きた親の代表であった。この本の著者ほどに賢く生きれなかったとしても、反面教師もまた、立派な教師である。それぞれの親に、人生を生きるノウハウがある筈である。それを伝えよう。要は、子は一人で悟る以外に方法のない人生である。何かをヒントとして人よりも早く悟り、人よりも賢く生きて欲しい。そういう思いの随想である。

 ここに書き並べた「硬骨ウント恍惚」は当時ワープロ仕上げであった文章を逐次ブログに書き改め、或いは新しく作成したブログである。比較的「硬骨漢」として自認している私だが、最近は「恍惚の人」ともなって来た。
話題は結局、文化、文明の諸問題に終始した随想である。それらは私にとっては発見そして開眼の旅の記録であり、旅は今後も続けたい。学者でも研究者でもない私の見方は独断、偏見、誤解或いは曲解に満ちた主観であり直感である。公表には責任がを伴うように思うが願わくば寛大に見て欲しい。                2012.09.23 

*1鈴木三重吉創刊、児童文芸誌『赤い鳥』

*2 ビジネスマンの父より息子への三十通の手紙 キングスレイ・ウォード/著 城山三郎訳
父親が自分と同じ道を志そうとしている息子へ、男の言葉で語るビジネスの世界のルールと人間の機微。ここではビジネスマンがその生涯で遭遇すべきあらゆる局面が取り上げられ、その対応の姿勢が経験をもとに熟考されたウイットのある表現で語られている。若いビジネスマンのみならず、ミドルもトップも必読の、人生論のあるユニークなビジネス書としてミリオンセラーとなった本。

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